イギリスの木彫りスプーン作家、Giles Newman氏のスプーン作品を収録した『SPOON』数冊入荷しました。作家自身による貴重な自費出版本です。2021年発行。スプーンを作りはじめてから5年目のときに作られた作品集です。
『SPOON』をひらくと、木片の香りや森の息吹がどのページからも漂ってきます。薔薇、水仙、ポピー、ブルーベル、タンポポ、アイビー、マッシュルームなどの植物が優美で繊細な曲線で掘り出され、ツバメ、狼、カラスやフクロウ、馬やシカなどの動物は走る姿や両翼を広げた姿など神々しくダイナミックな姿が掘り出された木彫りのスプーンたちは一目見たら魅了されずにはいられません。
これらのスプーンは樹齢100年や400年のイングリッシュオーク、樹齢15年の白樺などの樹木から作られていますが、いずれも「自然に倒木した木材のみ」を使用し、デザインに合わせて木を切り出すのではなく、それぞれの枝の形からデザインを発想していく手法で作られています。森林と関わり、愛しているGiles Newman氏にとって、木材を人間が利用するための「材料」として見るという考えに対して長い間不快感があり、搾取的で破壊的で不必要に浪費的になる利用法を避けるために「自然に倒れた樹木のみを使う」方法を選んだのだそうです。
森の近くで生まれ育ち、大人になってからはグラフィックデザイナーとして毎日2時間かけて通勤し、締切に追われながら慌ただしく過ごしていたというNewman氏にとって、木々の世界で過ごす週末は心から安らぐ逃避の時間でした。スプーンが作り出されたのはそんなある日、偶然の機会のこと。
この本は、魔法めいた魅力の美しい木彫りスプーンの写真が大量に収められているだけでなく、あるひとりの木彫りスプーン作家の内面的な観点から、木彫りスプーン作家になるまでの状況を綴った個人的な物語(とても心打たれました)と、独自の手法を採用した木彫りの技術についての解説、そしてひとつの木片が繊細でとびきり美しい一本の木彫りスプーンになっていくまでの詳細なプロセスの解説写真が詰め込まれた、見応え読み応えたっぷりの一冊です。(英語ですが、画像翻訳など便利なツールを利用すると読解がとてもスムーズです)
https://www.instagram.com/reel/CdYi-lNqrpL/?igsh=MTBkMWxkZWMwbm00Yg==
こちらのInstagramの動画にて本書の中身を開いて見せてくれています。またアカウント内のそれぞれの投稿の文章(翻訳機能あり)などからもNewman氏のお人柄や感性、哲学のようなものが感じ取れると思います。
* 160 pages.
* 156 photographs.
* Full colour, paperback.
* Dimensions: 297mm (11.7in) x 210mm
* (8.3in) x 10mm (0.4in).
* Self Published and printed to order in the UK.
・英語
・30£
■クリックポスト185円より発送可能です。
こちらはNewman氏にうちのお店で販売してもよいですかとメールで自己紹介しつつお尋ねして許可をいただき正式な販売になります。
円安、輸送費も高騰中ということもあり、今後の再入荷は予定しておりませんので、気になった方はこの機会をぜひお見逃しなく!