花と動物の共進化をさぐる
《出版社より》
身近な植物で見つかった,花と昆虫の意外な関係。きみも見つけられるかも?
日本は,「世界でいちばん植物が調査されている国」と言われます。そんな日本にあって,この10年ほどの間に,20代の若者たちが身近な植物でたくさんの新発見を成し遂げています。関心を持ち始めたきっかけから,新発見につながる観察や実験,仮説を検証するための苦労話などを,発見当時「まだ研究者じゃなかった」本人が紹介します。コラムでは,まだ研究はできていないけど気になっている植物をめぐるネタも紹介(新発見につながるかも?)。今何がわかっていて,どんなアプローチが可能なのかをまとめた総論も収録。高校の新探求学習課目「理数探求」のヒントにも。
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オーストラリアのラン「ハンマーオーキッド」の花は,雌バチに擬態して雄バチを呼び寄せ,花粉を運ばせます。そんなランが日本にもあった!
花が花粉を運んでくれる生きものへのアピールなら,地味な花があるのはなぜ?
甘い蜜がむき出しで分泌されるのに,なぜかアリが盗みに来ない。花に何か仕掛けがあるのかな?
ガの足先で受粉する花って,どんなしくみ?
植物からえさをもらって害虫から守る役割をしているアリは,花粉媒介昆虫を見分けて,見逃しているの?
……ふとした疑問から観察を始めたら,新発見になっちゃった! この10年ほどの成果をまとめました。
《目次》
総論 送粉者を通してみる花の多様性 川北 篤
第1章 日本にもあった! 昆虫に擬態するラン:ボウランの化学擬態を発見するまで 新垣 則雄・若村定男
第2章 山の中に待ち受ける「わな」 :テンナンショウ属の多様な送粉様式の謎 奥山 雄大・柿嶌 聡
第3章 ツリガネニンジンの花粉を運ぶ蛾 船本 大智
第4章 日陰者の送粉者:キノコバエに送粉される植物の隠された多様性 望月 昂
第5章 蛾に踏まれて受粉! サクラランの不思議な送粉の発見 望月 昂
コラム1 カギカズラの花に集まる着地訪花性ガ類 船本 大智
コラム2 マツグミの花を訪れるメジロ 船本 大智
第6章 滑る花弁:新しい盗蜜アリ排除機構の発見 武田 和也
第7章 ところ変われば送粉者も変わる。哺乳類媒ウジルカンダの送粉システム 武田 和也
コラム3 さまざまな花の二型性 川北 篤
第8章 島と異型花柱性の生物学:小笠原・沖縄・ハワイから 渡邊 謙太
第9章 植物・送粉者・防衛アリが織りなす多様性 山崎 絵理
コラム4 変わる花の形:わかってきたママコナ属の多様な姿 長谷川 匡弘
《著者プロフィール》
種生物学会 (シュセイブツガッカイ)
種生物学会(The Society for the Study of Species Bology):集団生物学・進化生物学に関心を持つ,分類学,生態学,遺伝学,育種学,雑草学,林学,保全生物学など,さまざまな関連分野の研究者が,分野の枠を越えて交流・議論する活発な学会活動を展開する。
花と動物の共進化をさぐる
身近な野生植物に隠れていた新しい花の姿
種生物学会(編集)
発行:文一総合出版
A5判 256ページ
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