DETAIL
バラ科の植物たちを虫の目から見た場合、どんな風に見えるのだろう?ページ上段は人の目で見た花、下段は虫の目で見た花が掲載されています。同じ花の見え方の違いがとても面白い!本格的な研究者だけでなく子ども楽しめる一冊。
《著者の鳴橋直弘先生より》
バラ科の花の紫外線写真を集めた本である。
花は人のために咲いているのではなく, 多くは, 花粉を運んでもらう虫のために咲いていると考えられている。人間とは異なり, 虫は紫外線を感じる。「虫の目から見た花」というテーマは古くから研究されてきた。しかし, 本書のように, ある植物群だけを取り扱ったものはなかった。そのため, 訪花昆虫を研究している人には一読の価値があるだろう。また, バラ科には, イチゴ, サクラ, リンゴ, バラなど我々に馴染み深い植物が多いので, 花に興味のある人や, 学校, 図書館, 博物館などの蔵書にもお勧めである。
撮影期間は1981〜2003年の22年間に及び, バラ科41属308分類群を取り扱っている。1頁に1種類の花の可視光線写真と紫外線写真が対比して掲載され, アカエナ, アレモニア, ネビウシア, ピソカルプス, サルコポテリウム等日本に自生していない属も扱っている。また, 同じ属の花でも紫外線の反射・吸収によって違うパターンを示すものがある。同じ種でもウメやハマナシのように多様な花の色を持つものに関しては, 白色と赤色に分けて扱われ, また, 紫外線のパターンの違う花はA型, B型として区別されている。
本は, 前書き, 凡例, 可視光線と紫外線写真(15〜434頁, 写真の上には和名と学名, 下には生育場所, 撮影日, 特記事項がある), 後書き, 学名索引, および和名索引からなっている。和文の後には英文があり, 外国人の利用にも配慮されている。
A5判 無線綴じ、表紙カバーあり 451頁 791g
2012年3月10日発行 大阪自然史センター
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