《著者の鳴橋直弘先生より》

コバイモは８種２雑種で､すべて日本固有種です。コシノコバイモ以外の７種は絶滅危惧種に指定されている。

本書は、著者らが半世紀にわたりユリ科コバイモ（バイモ属コバイモ亜属）を多方面から調べた結果を一冊にまとめたものです。一種のコバイモのモノグラフである。


「第１部　はじめに」（1. 和名の由来、2. 研究史）
「第２部　形態」（3. 外部形態、4. 内部形態、5. 奇形）
「第３部　生育地と生活」（6. 生育地と分布、7. 混生植物、8. 1年の生活（13 ステージ）、9. 物質分配、10. 発芽から開花まで、11. 集団構成、12. 開花時期と花、13. ポリネーター、14. 開花個体と鱗茎の重さ、15. 繁殖様式、16. 種子散布）
「第４部　系統と分類」（17. 染色体、18. コシノコバイモのＢ染色体の地理的変異、19. 分子系統解析､20. バイモ属数種の花のフラボノイドパターン、21. 系統と分類、22. 標本）
「第５部　栽培、その他」（23. 栽培方法、24. 人工雑種　25. 山草展と絵画、26. 保護、管理、利用、27. コバイモイアン（コバイモ類愛好者）、28. コバイモ類の取引、売買）
「第6部　分類学的整理」（29. 分類学的まとめ、30. 各種の図示と詳説）

の６部計30章にわたり、およそコバイモのことなら何でもわかる内容が、A4版、423ページにぎっしり盛り込まれている。

　観察や実験の結果の多くは図示されているし、植物体や花などの変異も分かるように配慮されている。　彩色画、線画、カットなどの絵が本の中で多く見られて楽しい本である。

　『全423頁のボリューム。植物の研究とはどういうものか、圧倒的な臨場感で迫ってくる大著だ』。『通り一遍の図鑑では得られない情報の宝庫である』。と読者の2人から評価されている。


A4判　無線綴じ　423頁　1,503g　
2020年8月8日発行　自費出版

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