■スマートレター180円より発送可能です。
摘んだ草がたちまちごちそうになる。
身近な72種を紹介。
春夏秋冬、1月から12月まで外に出てみるとその季節の中で生命力いっぱいに生えている野草たち。
見慣れているはずの植物たちでも、いざ食べるとなると、どんな味でどんな食感なんだろうと未知の世界ですが、平谷さんの文章を通して伝わってくる情報が具体的なので心躍ります。この本は写真はなく、文章と植物の絵が主体ですが、レシピだけでなく、著者の植物との出会いのエピソードに絡めて綴られた植物の食感や風味についての描写も魅力です。
たとえば、ムクゲの花。
甘酢につけたものを食べたときの文章描写です。
作っている途中から、とろとろした感触があり、(中略)シャリシャリした歯ごたえとツルッとした感触、「あ、ズイキのゴマ和えとオクラをミックスした味やわ」と、一人で嬉しくなりました。p.181 8月ムクゲより
シロザのベーコン炒めについては、
油と相性がいいので、いろんな脂肪をプラスワンすると、不思議!パサついた菜がしっとりした味わいになりました。p.142 7月シロザ・アカザより
など。
植物を食べたときの記憶が絡み合い、さらに記憶のマップが広がっていく感触、楽しいだろうなと思いました。
植物が乏しく思える1月2月の章も、あぁこんな植物が!という発見に満ちています。
この本は2000年に出版され、2016年に文庫化されました。