なんとも陽気なあざやかな色をしています。つんつんとんがって、ちょっと金平糖に似ているかな?似ているとしても、ほんのすこし。葉はぎざぎざの、おもしろいかたちをしています。
そして、ちいさな花が放つ、ふわっとやわらかなにおいの中には、日向と土ばこりを感じさせるものも混じっていました。
知ってるよ、これ!子犬は、なつかしい気持ちになりました。お天気のいい日に外で思いきり選んだあとは、この子犬のからだをおおう茶色の毛も、そのあたたかなにおいにつつまれるのです。
だから、ぼく、呼ばれている気がしたのかな?
(本書より)
秋の終わりに咲いた季節はずれのたんぽぽと子犬のマールと街ねこミーシャのかけがえのない友情と、めぐる季節の中での心あたたまる再会を描いた物語。
たんぽぽも子犬も街猫もとってもいきいきしていて可愛らしい。彼らのやりとりを読んでいると心にビタミンがチャージされるようなお話です。
著者プロフィール
野中 柊 (ノナカヒイラギ) (著/文)
1964年生まれ。立教大学卒業後、ニューヨーク州在住中の1991年に「ヨモギ・アイス」で海燕新人文学賞を受賞して作家デビュー。小説に『ヨモギ・アイス』『小春日和』(集英社文庫)、『あなたのそばで』(文春文庫)、『銀の糸』(角川文庫)、『波止場にて』『猫をおくる』(新潮社)など、エッセイ集に『きらめくジャンクフード』(文春文庫)など、童話に「パンダのポンポン」シリーズ(既10巻 長崎訓子 絵/理論社)、「本屋さんのルビねこ」シリーズ(既7巻 松本圭以子 絵/理論社)、『ようこそ ぼくのおともだち』(寺田順三 絵/あかね書房)、『紙ひこうき、きみへ』(木内達朗 絵/偕成社)など、絵本に『赤い実かがやく』(松本圭以子 絵/そうえん社)、『おつきさまのスープ』(木原未沙紀 絵/くもん出版)など著書多数。
くらはしれい (クラハシレイ) (イラスト)
岐阜県生まれ。イラストレーター。絵本や書籍の挿画、パッケージイラストなど、幅広い分野で活躍。絵本に『レミーさんのひきだし』(斉藤 倫・うきまる 作/小学館)、『王さまのお菓子』(石井睦美 文/世界文化社)、『こねこのトト』(白泉社)。児童書の挿画に『クーちゃんとぎんがみちゃん ふたりの春夏秋冬』(北川佳奈 作/岩崎書店)などがある。
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■発行 金の星社
■サイズ 四六判 縦188mm 横128mm
■頁数 176ページ
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