彼らの語る一言一言は、ただの情報ではなく、情熱そのものでした。
イタリア、ギリシャ、トルコ。世界トップの作り手たちのもとへ現地取材し、彼らが自らの言葉で語る〈自分の人生やオリーブへのこだわり、夢、今後について〉をオールカラーの写真とともに収録しています。
シチリアの灼熱の太陽の下で何百年という齢のオリーブの木々について語ってくれたピーノとピエトロ親子とサルボ。ギリシャ文明の歴史と英知をつなぐクレタ島のエレフテリア。エーゲ海の潮風を感じる丘で伝統的農園を営むメメット。ローマ時代からの歴史をボローニャで守りながら、革新的な方法でオリーブオイルの未来を切り開いている作り手達。彼らの語る一言一言は、ただの情報ではなく、情熱そのものでした。彼らの手から生まれるオリーブオイルは、単なる食品ではなく、彼らの土地、人生、そして家族の物語の結晶だということを教えてくれました。
(巻末の謝辞より抜粋)
土地の風土やオリーブの樹木の生命力がありありと伝わってくる写真の数々が大変美しく、作り手たちの技術やこだわりにはオリーブへの熱い情熱と使命感と愛情が感じられて、オリーブオイルのことに詳しくない私(草舟あんとす号店主)が読んでもとても惹き込まれてしまう、強い磁力のある本でした。オリーブがどんな樹木であるかが、作り手の話から伝わってくる感じも読んでいて心地の良いものでした。
表面的な紹介に止まらず、作り手の彼らがここまで事細かに語ってくれているのは、同じくオリーブオイルに熱い情熱を持ってコミットしている山田美知世さんによる取材だったことも大きいのかなとも感じました。
著者の山田美知世さんは、ミラノ在住の日本人初イタリア農林食糧政策省の国家試験取得オリーブオイル鑑定士であり、世界8ヵ国最重要オリーブオイル・コンペティションで国際審査員を務めています。
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目次
序
第1章 イタリア・シチリア
オリーブオイル生産者・アグレスティス代表
ピーノ・ニコトラ
第2章 ギリシャ・クレタ島
クレタ島ACR官能評価研究所所長・農学博士
オリーブオイル鑑定士・国際審査員
エレフテリア・ゲルマナキ
解説 オリーブオイルの生産工程
第3章 トルコ・アナトリア
オリーブオイル生産者・キルリ代表
メメット・マニサリ
第4章 イタリア・ボローニャ
パラッツォ・ディ・バリニャーナ創業者・オーナー
カルロ・ゲラルディ
第5章 オリーブオイルと作り手たち
あとがきにかえて
謝辞
■著者 山田 美知世 (ヤマダ ミチヨ)
京都生まれ、ミラノ在住。日本人初イタリア農林食糧政策省の国家試験取得オリーブオイル鑑定士(イタリア共和国農林食料政策省オリーブオイル鑑定士登録番号 MI.0023278)。日本人で唯一、世界8カ国最重要オリーブオイル・コンペティションで国際審査員を務める。イタリアに特化した月刊女性誌『amarena』(扶桑社・現在は休刊)の元編集長。
イタリア各地で開催されるオリーブオイルのパネルテスト(欠陥の有無や品質の鑑定と評価)に公式鑑定士として数多く参加。オリーブオイル生産者へ生産指導も行う。2022年イタリアで最も歴史あるオリーブオイル・コンペティション「エルコレ・オリヴァリオ」から、イタリアのハイクオリティ・エキストラバージンオイルを国外に広めた功績に対して「レキトス賞」を授与される。オリーブオイル以外にも、長年イタリアの食文化全般やファッション、インテリアに関する取材撮影や執筆活動などを行う。
■発行 KuLaScip
■サイズ A5判
■ページ 240ページ
■仕様 並製
■送料 210円より