多芸な趣味人として知られるチャペックは、絵を描き、写真を撮り、犬や猫を飼い、昆虫を飼育し、さらに、植物について並はずれた知識と経験をもつ園芸マニアでもあった。庭仕事と人間のいとなみを巧みに結びつけた本書は、まさに「園芸家のバイブル」ともいえる。
芸術上でも互いによき協力者であったチャペック兄弟は、多忙な仕事の合間をぬって、園芸作業にしばしの息抜きを見いだし、ともに熱中した。土に親しみ、草花を愛する人はもちろん、庭いじりをした人なら誰でも思いあたるような話がつづられた本書は、弟カレルの自由放な文章に、兄ヨゼフ(右)の楽しい挿絵が添えられた、味わい豊かな自然讃歌 (本書見開きの「カレル・チャペック*その生涯をたどる」より)
一月、二月、三月...と月ごとの園芸家の姿をユーモアたっぷりに描写した、庭いじりの歳時記のようなエッセイ。
あとがきで知ったのですが、神奈川県平塚市にある花菜ガーデン内には、プラハに現存しているカレル・チャペックの家と庭を再現したコーナーがあるそうです。
■著者 カレル・チャペック
■翻訳 飯島周 (イイジマイタル)
■発行 平凡社
■サイズ B6変型判
■ページ 240ページ
■送料 210円より発送可能です