60種の台湾在来植物の性質や香りを読み解き、過去の営みと歴史の記憶を辿りながら、台湾という島に出会う一冊。ページのデザインやイラストの色合いも大変美しく、320ページと大充実の情報量です。香りについての表現も、たとえば「地平線の匂い」など独創的な表現が多く、読んでいると想像を掻き立てられます。初心者からマニアックな方まできっと楽しみいただけると思います。
送料 210円より
著者プロフィール
楊智凱(YANG Chih Kai ヤン・チンカイ)
植物とあらゆる生活の場面との関連性を見出すことを得意としている。『説文解字』から聖書、アニメから映画のヒット作、古代から最先端まで、頭からつま先まで、内側から外側へ、植物を通じ、人生の哲学と自然の摂理を悟ることを生きがいとしている。
人生の先輩方がどのような視点を持って植物を見ているのかについてヒアリングし、科学の視座からその文脈の整理を試みる。
近年、植物をテーマとしたクリエイティブな解説やレクチャーに力を入れており、より多くの人を多彩な植物の世界へ案内することを目標としている。
楊にとって、植物は大自然のマジシャンのように、太陽の下では、常に新しく面白いことが起きているそうだ。現在、楊は台湾国立屏東科技大学森林学部で助教(assistant professor)として務め、森林生態と民族植物の研究室の主宰である。専門分野における研究の継続のほかに、原住民が自然環境と数百年、数千年にわたって交流する中で、蓄積した知恵に興味を強く持っている。
将来的に、植物学と台湾の原住民文化についてさらなる研究を行い、オーストロネシア民族の植物誌に新たな1ページを刻むことに寄与している。
温佑君(WEN Yo June ウェン・ヨウジュン)
温佑君にとって、アロマセラピーは、美学の教育だけでなく、人格教育においても重要である。アジアのアロマセラピー界の大御所の一人として、温から学べるものはアロマセラピー分野に限らない。
イギリスケント大学哲学研究科、ロンドン・スクール・オブ・アロマセラピー卒業後、1998年にCANJUNE を創業し、台湾や中国などでアロマセラピーの講座開催と販売関連の業務に20年以上携わってきた。漢方、アーユルヴェーダをはじめとした自然療法と、今どきのアロマセラピーとのコラボレーションを生み出し、中国と西洋の哲学と、価値の思弁哲学をアロマセラピー教育に融合させ、嗅覚を起点に、アロマを通じ、学生を自悟へ誘導する。
ユニークな視点と文脈を用い、講座を開催するたびに、台湾や中国などで好評を博している。大胆な想像力と積極性のある温は、台湾で独自の「香り(アロマ)」路線を開拓してきた。
中国式書道、絵画、建築、音楽、身体、すべて香りとハーモニーを奏でることのできる重要な要素である。香り(アロマ)が文化となり、善美なライフスタイルとなり、人文学的な側面をもつアロマセラピーを、世界中に広げることに寄与している。アロマセラピー分野の著書が多く、同ジャンルのベストセラーとして、長らく愛されている。
●種籽設計/シードデザイン(Seedesign)
台湾にあるデザイン事務所。グラフィックデザイン、WEBデザイン、プロダクトデザインなどを手掛けるほか、体験活動をデザイン。「ストーリーテリングデザイン」を提供。「Seed 節氣食飲研究」企画では、台湾の土地や歴史に根付いた食・農、伝統的なレシピ、自然の動植物などについての研究・発信をしている。
二十四節気や食に関する書籍を台湾にて多数刊行しているほか、イベント企画や食品・料理の提供など、風土や食に関わる体験を総合サービスとしても提供している。
過去には、『台湾漬 二十四節気の保存食』、『台湾の美味しい調味料 台湾醤』といった日本語の書籍を出版。