森のはずれに立っているちいさなモミの木。そこは空気が新鮮で日当たりもとてもよいところでした。けれどもモミの木はそのことは気にもとめずにただただ、「早く大きくなりたい」とばかり思っていました――。アンデルセンの描くこの物語はクリスマスのシーンがハイライトになっています。もっと輝きたい、もっと成功したい、もっともっと...！未来に期待するモミの木の気持ちが置いてきぼりにしてしまった、日々の、そのときそのときの喜び。物語が終盤に近づくにつれ、モミの木も自分が置いてきてしまったものに気づいていきます。おはなしを読むわたしたちも”今を大切にしよう”と思わずにはいられない、心に強く残り続けるおはなしです。

表紙は布張りで金箔押しがほどこされ、イラストレーションはマリメッコのデザイナーとして活躍するサンナ・アンヌッカが担当しています。贈り物にもおすすめの一冊です。

おはなし：ハンス・クリスチャン・アンデルセン
絵：サンナ・アンヌッカ
発行：アノニマ・スタジオ

価格：2,200円+税

クリックポスト198円で発送可能です。