本草奇説/福井栄一

草や花や木にまつわる、不思議で奇妙で滑稽な怪奇譚。植物の豆知識も織り交ぜながら、やさしい文体が語りかけてくる。竹取物語や古事記から、あまり知られていない説話まで45の短編が大集合。

目次
○草蔓の章
茅 運命の分かれた兄弟のはなし/萩 喰われた萩のはなし/菊 逃げた定家のはなし/紫苑 父を亡くした兄弟のはなし/茨 悲しむ茨のはなし/葛 穴に閉じこめられた男のはなし/藤 藤のこぶのはなし/竹 竹取の翁のはなし

○菜穀の章
水葱―大食感の聖のはなし/麻―虎退治のはなし/麦―頭をかかえる師匠のはなし/稲―絵のなかの馬のはなし/粟―粟が欲しい男のはなし/大豆―大豆の賭けのはなし/蒜―蒜で打たれた鹿のはなし/芋―芋粥好きの男のはなし/瓜―瓜を惜しんだ男たちのはなし/瓢―恩を報じた雀のはなし/蓮―池に生じた蓮のはなし/平茸―挨拶をして去った法師たちのはなし

○果樹の章
梅―紅梅を愛した娘のはなし/桃―鬼に追いかけられた神さまのはなし/栗―栗を煮る僧のはなし/梨―悲鳴をあげる橋のはなし/柿―臆病な法師のはなし/柑子―機転をきかせた雅家のはなし/橘―愛された橘のはなし/柚―切られた柚のはなし/桜―奈良の都の八重桜のはなし

○香木の章
檜―二股の檜のはなし/松―官位を得た松のはなし/杉―杉の梢で叫ぶ聖のはなし/桂― なにごとも見のがさない僧のはなし/紫檀―法華経の箱のはなし/白檀―口に芳香を得た男のはなし/楠―生きのびた仏像のはなし

○喬木の章
榎―赤い衣を射た男のはなし/漆―老母の智慧のはなし/楝―大きな大きな楝の樹のはなし/槐―前世を記憶している男のはなし/椋―空を飛ぶ琵琶のはなし/槻―槻に登った尼のはなし/柳―引っ越した鳥のはなし/桑―蚤に救われた女のはなし/楮―けなげな猿のはなし

福井 栄一フ(著/文)
発行:工作舎
B6変型判 176ページ

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