野鳥が集まる100種類以上の木の実を豊富な野鳥の採食写真とともに掲載した「木の実と野鳥」本の決定版。さらに造園の経験をもつ著者が、野鳥が来る庭のつくりかたを実例を挙げて紹介。

「本書の特徴」より
　野鳥の食性には、植物質だけ、動物質だけ、その両方という３つのパターンがある。本書では植物質の中でも特に樹木に限定し、私がこれまでに観察、撮影した木の実に関係した写真を中心に、鳥が食べる木の実について、いちカメラマンである私の独断と偏見でまとめた本である。まず、「野鳥が好む木の実」と「野鳥が好まない木の実」の２つに大きく分け、それぞれを五十音順に掲載した。
ただし、「野鳥が好まない木の実」とは、まったく食べられないという意味ではなく、鳥が好む木の実に比べ、相対的にあまり好まない、という程度のものと理解してほしい。(中略)

　次に木の実以外で「野鳥が好む花」という章を設け、私が実際に観察した花蜜や花芽、花弁を好むものを解説した。最後の章では「野鳥が好む庭づくり」として、野鳥が来てくれる庭づくりに関する実践的なことを写真とイラストで解説した。

From 草舟あんとす号
1月のある日、住宅地を歩いている途中に不思議な木の実の付きかたをしている高木があった。ところどころ放射線状にクリーム色の丸い小さな実をぶら下げている。その木の枝には鳥がたくさん留まっていた。興味を惹かれて思わず木の下まで近づいていくと鳥たちは逃げてしまったが、この木が「センダン」であること、鳥たちはおそらくヒヨドリだということが後日この本を開いてわかってスッキリした。著者によれば「口に入れてみたが、言葉では説明できないような嫌な味がした」とのこと。時々、人間視点での率直な実食レビューが記されていて面白い。

叶内拓哉(著/文)
発行：文一総合出版
B5判 160ページ　フルカラー

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