竹取工学物語 土木工学者,植物にものづくりを学ぶ(岩波科学ライブラリー320)
紹介
適度に硬く、しなやか。中空円筒構造。1日で1メートル近く高さを伸ばすこともある驚異の成長力。特異な生態、形状や性質ゆえに竹取の翁の時代から日本人の生活に溶け込んできた竹は、時に厄介者扱いも受ける。そんな竹に魅せられ、本来植物学者の研究対象であろう種々の植物に工学の視点で挑む研究者の、ちょっと考えさせられる物語。(出版社より)
目次
はじめに
第1章 竹取の翁は優れたエンジニアだった?
竹取物語はフィクション? ノンフィクション?
かぐや姫のいる「部屋」
工学の視点から竹を見てみると……
植物の「形」に潜む謎
竹、竹林に関する「智恵」「言い伝え」とそれを利用する技術
第2章 竹の「節」がもつ力学的役割
「竹を割る」と「竹を切る」の違い
「曲がる」とはどういうことか
「硬い(固い)こと」と「強いこと」
竹が構造力学の研究者に教えてくれること
竹の節がもつ「力学的」役割
第3章 竹の「維管束」がもつ力学的役割
維管束の驚くべき多重機能?養分や水分を運ぶ「以外の」重要な役割
維管束は竹断面の外側により多く分布している
「かけた力」と「変形」の関係
維管束が断面の外側により多く分布している理由
維管束分布に隠されたもっとすごい秘密
草本に見られる維管束分布
賢い竹が私たちに教えてくれること
コラム●「我慢強い」竹から学ぶ土木工学
第4章 植物の茎や枝の断面が「丸」であるのは当たり前?
茎や枝の断面形状を見てみると……
断面が円形ではないさまざまな植物たち
断面の形がもつ(構造力学的)意味
断面上で起こっていること?「曲げ応力」に抗いやすい断面形
「馬蹄形」の秘密
サグラダ・ファミリアの柱の断面形
第5章 植物が「高さ」を稼ぐための工夫
「背が高くなりたい」という欲求:人間と植物の視点から
巨大なタワー構造の形
樹木が高く成長することの意味:光を得るための戦いとその足かせになるもの
座屈:細長いもの(薄っぺらいもの)が陥る不安定現象
枝葉の重さは、樹木が高くなることの足かせになる?
先端に向かって細くなると、どれくらい高くなりやすいか?
柔らかいが、とても背の高い植物
植物の形から私たちが学ぶべきこと
コラム●北国でも使われる竹
第6章 「しなり」と「形」を利用した先人たちの智恵と技術
竹を材料として使う
日本人はなぜ竹竿を作る(作った)のか?
先細り形状が竹竿にもたらす絶妙な効果
竹の性質がもたらす、他の材料ではなしえない技術
竹がなければ北海道には路面電車が存在しえない?
アーチ形状を活かした構造
科学技術の発展と、竹のより高度な利用法
コラム● 竹を素材とする万年筆と竹を模倣する万年筆
第7章 科学技術に立脚した現代・未来の竹取物語
竹利用の過去・現在・未来
バイオミメティックス(生物形態模倣技術)
「バンブー」ミメティックスもありえる?
バイオマス材料としての竹の潜在力
最後に
参考文献
著者プロフィール
佐藤 太裕(さとう もとひろ)
1997年,北海道大学工学部土木工学科卒業.2002年,同大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻博士後期課程修了.博士(工学).北海道大学大学院工学研究科助手,助教,同大学院工学研究院北方圏環境政策工学部門准教授などを経て,現在,北海道大学大学院工学研究院副研究院長/同研究院機械・宇宙航空工学部門教授.
■発行 岩波書店
■仕様 ソフトカバー B6判 重さ 118ページ
■スマートレター180円より発送可能です
販売価格 |
1,540円(内税)
|
在庫数 |
残り1 です |
購入数 |
|