送料 210円より発送可能です
「この世界の生活は、月にとっては一つのおとぎ話にすぎません」 ひとりぼっちの若い絵かきのもとへ、夜ごと友だちの月が訪れて、空から見たことを聞かせます。月のまなざしが照らしだすのは、悲哀に満ちた地上の人びとの風景。旅を愛したアンデルセンの詩情あふれる名作を、絵本作家・松村真依子の柔らかな水彩絵で贈ります。
絵本作家 松村真依子さんからのメッセージ
『絵のない絵本』を読み解き、アンデルセンについて勉強し、たくさんの資料と向き合った制作の日々は、時代も国境も超えた色々な場所へ私を連れて行ってくれました。インドの川のほとり、ポンペイの劇場、名も無い町の寂しい窓辺や、愛に満ちた子ども部屋まで……私の体は家に籠って絵を描いていても、心はいつも旅にでていました。今思えば、月の物語の聞き手である「画家」と、同じことをしていたのですね。そんな、物語に入り込んでしまったような旅の日々が終わることが、寂しくてたまりません。ぜひみなさんも、この物語と共に遠くへ、ずっと遠くへ、心の旅にでかけてみてください。そしてアンデルセンや「画家」が見上げた月と同じ月を、見上げてみていただきたいです。
著者 ハンス・クリスチャン・アンデルセン
翻訳 大畑末吉
挿画 松村真依子
刊行 2022年3月
仕様 A5変・上製 ・函入 ・230頁
※ミニカード5枚は、おもてはモノクロ、うらはパステルカラーで印刷されています。