「ミョウガを食べると物忘れをする」「モモを食って川へ行くと河童に引かれる」「冬至にユズ湯をたてると悪病除けになる」「ヒガンバナを家に持ち帰ると火事になる」ほか、「予兆・占い・禁忌・呪い(まじない)」に関する植物の民間知識や技術の伝承を収集。
伝承の内容と伝えられる地域を記し、類型の話順に並べた。本書には、果実、草木、花などの植物に関連する283項目の言い伝えを収める。観天望気、自然暦、民間療法の言い伝えも丹念に資料から採録。解説・篠原徹(滋賀県立琵琶湖博物館名誉館長)
この辞典に登場する植物は、総計で260種類であり、そのうち栽培植物は136種類、野生植物は124種類である。野生植物も身近にあって、自然暦や観天望気、そして民間薬などに登場する植物が多い。(p.532 文庫版解説 植物と民俗)
この辞典は、俗信の辞典としても利用できるが、同時に農村漁村の人びとの民俗知識の資料集成の意味ももっている。(p.535 文庫版解説 植物と民俗)
《著者プロフィール》
鈴木 棠三 (スズキ トウゾウ) 1911年静岡県生まれ。1929年國學院大學予科入学。郷土研究会に入り折口信夫の講義をきく。同年6月ごろ柳田国男の書斎に出入りし始める。1934年國學院大學研究科卒業。1987年國學院大學研究科修了。社団法人更生協会月刊機関紙「村」の編集及び調査報告書担当、雑誌「民謡研究」の刊行、國學院大學講師、著述業などを行う。1992年没。
発行:KADOKAWA
文庫判 544ページ
―――――――――――――――
クリックポスト198円より発送可能です。