ようこそ、木陰のお茶会へ
森に生きる薬草使いがつくる透きとおった飲みものと、野を知るパティシエの用意する花々のおやつたち。
揺れる緑の木陰でゆったりとこんなお茶会ができたらどんなに素敵でしょう。蓼科の薬草店、ハーバルノート・シンプルズの萩尾エリ子さんと永易理恵さんによるレシピ集をひらくと幸せな気持ちになります。さぁどれから作りましょうか?元気が足りないときは、ただ眺めているだけでも心のご馳走に。
どこか遠くに行けないときにも、静かな針葉樹の森を散歩したような気分になれる「森の小道のジュレ」や、「オオカミたちの遠吠え」というスコーン(上手に焼けたスコーンの割れ目を「オオカミの口」と呼ぶそう)など、それぞれのレシピには物語を感じさせる料理名が付けられています。材料も素朴で身近なものが中心です。そんなレシピが61個と、ふたりによる4つの対談が美しい写真とともに楽しめます。
朝露ゼリー/夢見る人のイチゴソーダ/ダンデライオンムース/生まれたての透きとおった水/宝石箱のパイ/せせらぎのジンソーダ/おとぎ話入りのスコーン/大天使の飲みもの/秋の夜長のチーズケーキ/アメジスト・ウオツカトニック/満月のプリン/夕暮れの庭のブランデー/森のクルミ好き/風のチェイサー/ふたつの黄金ケーキ/銀色三日月ワイン/雪景色のチョコレートペースト/四精霊のカクテル などなど60品
本書まえがきより
ひとさじをあなたに
これは、薬草店の日々の中から生まれた、飲みものとおやつの本です。過る季節が観る時の一部、絵本や物品の1ページ、奏でる音楽のひとフレースのように生まれてきました。飲みものは店主の私、おやつは店長でパティシエの永易がつくったものです。
彼女とは30年近く一緒に仕事をしてきました。このパティシェのつくるおやつはほんとうに美味しくて、美しい。今はレッスンのときにだけ、限られた方たちのためにテーブルに並びます。私のつくる飲みものは、誰のためのものでもありません。思いつくままに四季折々、この透きとおった大気をグラスに集めたものばかりです。
以前開いていたカフェはもうありませんし、どなたにでもお出しできるわけではないけれど、この本を手にとって下さる方にお裾分けできたらと思います。どうぞ気の向くまま、どこからでも味わって下さい。
ようこそ、木陰のお茶会へ。萩尾エリ子
植物を学ぶ方たちのひと休みのティータイム、小さなおやつをお出ししています。つくるときはまず庭に出て深呼吸。身をくんくん、その日の空気が香ります。茂る緑の奥にも花々が潜んでいて、甘い匂い、優しい香り、ときには勇気をくれたりします。
お皿の上には今日の景画を添えましょう。ひらりと蜜を吸いにきた蝶。落ち葉の散る音に、雪が降る前の空の色。草花たちに注ぐ光と重なって生まれた、色とりどりのおやつをお届けします。永易理恵
著者プロフィール
萩尾エリ子(はぎお・えりこ)
ハーバリスト。ナード・アロマテラビー協会認定アロマ・トレーナー。日々をショップという場で過ごし、植物の豊かさを伝えることを喜びとする。著書に「香りの扉、草の椅子」、「あなたの木陰』(ともに扶桑社)ほか。
永易理恵(ながやす・りえ)
蓼科ハーバルノート・シンプルズ店長。ナード・アロマテラピー協会認定アロマ・インストラクター。戸隠村・越水ヶ原の厳しくも美しい自然の中で育つ。エコール・キュリネール国立・辻製菓専門カレッジ卒業後、蓼科ハーバルノートに。
蓼科ハーバルノート・シンプルズ
長野県茅野市豊平10284
www.herbalnote.co.jp
■写真 寺澤太郎
■仕様 A5判 カラー
■頁数 160ページ
■発売 2025年04月
■発行 扶桑社
送料210円より発送可能です