【文庫本】鬼がこの世にただひとり、生きた証を刻みつける花/奈良美代子

泉鏡花、宮沢賢治、小川洋子、オスカー・ワイルドらの作品や、映画『ひまわり」、シャネルの人生など、神話、物語、詩歌、絵画に登場する"花”を読み解く随想集。

目次
物語の“花”を生ける


 少女と女王をつなぐ花
 『森は生きている』(サムイル・マルシャーク)の松雪草を生ける

 水仙は、心の静寂清明な一点を映し出す
 「月光は受話器をつたひはじめたり越前岬の水仙匂ふ」(葛原妙子)の水仙を生ける

 “死者”に手向ける花
 「亡き王女のための刺繍」(小川洋子)のツルボランを生ける

 蛇に呑まれた桜
 「桜心中」(泉鏡花)の桜を生ける


 純度の高い恋は地に落ちて、いっそう輝く
 「ナイチンゲールとばらの花」(オスカー・ワイルド)の赤いばらを生ける

 花に生かされ、花に奪われたラブストーリー
 『うたかたの日々』(ボリス・ヴィアン)の睡蓮を生ける

 小町の復讐をかたどる花
 「小町の芍薬」(岡本かの子)の芍薬を生ける

 過去も未来も超える花
 「時をかける少女」(筒井康隆)のラベンダーを生ける

 みんなの「幸い」のために生きたいと願う花
 「ガドルフの百合」(宮沢賢治)の百合を生ける

 それでも太陽を見つめつづけた花
 映画 『ひまわり』(監督ヴィットリオ・デ・シーカ)のひまわりを生ける


 鬼がこの世にただひとり、生きた証を刻みつける花
 「紫苑物語」(石川 淳)の紫苑を生ける

 女の生き難さを物語る花
 『源氏物語』の朝顔を生ける


 カメリア、それはシャネルの戦友
 シャネルのカメリア(椿)を生ける

おわりの、いのりの花

参考文献

■著者 奈良美代子
■発行 オフィスルリユール
■頁数 280p
■判型 148mm × 105mm (実寸)

■スマートレターより発送可能です
販売価格 2,200円(内税)
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